恋のエンドロールでキスをして【小説版】

※

お会計を済ませて外に出れば、まだ4月と言うこともあり肌寒い。

「椿姫、大丈夫?」

柊さんの声に振り返ると、冬野さんの足元が少しおぼつかない。

「……平気」

「どーみても平気に見えないけど? ね、怜」

「だな」

怜がため息をひとつ吐くと、冬野さんの身体を支えた。

(あ……)

二人の関係がただの友人なのかどうかはわからない。

ただ恋人だと言われても違和感がないくらい、とてもお似合いなことは確かだ。

諦めの悪い私の小さな胸はまたチクンとする。

「椿姫の家、ここから近いから送ってくわ」

「いい。一人で帰れる」

「転んで怪我でもしたら、みんな困るだろ」

「……」

「次から一杯にしとけよ」

「……わかった」

(二人がどんな関係かなんて私には関係ないのに……)

それでも怜のことになれば、やっぱり気持ちはすぐに沈んでいく。

「花ちゃん、家どっち方向」

顔を上げれば柊さんが、首を傾げていた。

「あ……駅のほうです」

「了解。じゃあ僕が送るね」

「そんな、一人で大丈夫です」

「いやいや危ないし、それに僕の家も駅の方だから」

「では……お言葉に甘えて」

私が返事をすると、怜が冬野さんを連れて背を向けたのが見えた。