恋のエンドロールでキスをして【小説版】

「なんか、ぼんやりしてたけど大丈夫?」

「あ、ごめん。なんでもないの」

「ならいいんだけど、笑里で良かったら何でも話聞くからね。こう見えて口は堅いの〜」

両方の人差し指を使い、唇の前でバツ印を作って見せる彼女に思わず笑みが漏れる。

「ありがとう」

「全然だよ〜」

微笑み合っていると扉が開き、店員さんが追加の料理が運んでくる。手際よく、二回目のだし巻き、唐揚げ、天ぷらがテーブルに並んだ。

「ラストオーダーになりますが、追加のご注文はございますか?」

「いや、これで大丈夫です」

店員さんが部屋をあとにすると、笑里ちゃんが取り皿に手をかけた。

「みなさん、取り分けていきますね~」

「あ、手伝うよ」

「うんっ」

さりげなく笑里ちゃんに取り皿を渡して、微力ながら手伝いをする。

手際よく全員の分を綺麗に取り分けると笑里ちゃんが目を細めた。


「花ちゃん、ありがとね。食べよ~」

「ううん、全然。美味しそうだね」

そう言いながら、私はしばらく置いていた箸を持ち上げた。

「うわ、今日の“お任せ天ぷら”の山芋、うま!!」

柊さんの感嘆の声にハッとする。

(ん? 今、山芋って言った?)

私は軽度だが、山芋アレルギーなのだ。


(でも食べれないって、この場の雰囲気でなんか言いにくいな)

(いっか、すこし喉がかゆくなる程度だし)