恋のエンドロールでキスをして【小説版】

「海莉、椿姫に水」

「怜、何でよっ」

「お前は飲み過ぎると色々良くないから」

「色々ってなによ」

「とにかく水な。わかった?」

数秒ほど二人は目を合わせていたが、冬野さんは唇を結ぶとそのまま腰を下ろした。


(この二人って……どういう関係なんだろう)

先ほど柊さんから同じ高校の同級生だと聞いた。
気のせいかも知れないが、二人の雰囲気はただの友達の関係とは少し違う気がした。


「はいはーい。海莉先輩ちょっとどいてくださ~い」

「え、なになに?」

笑里ちゃんが、柊さんを軽く押しやりながら私の隣に座る。

「花ちゃん、LINE交換しよ」

「えっ、いいの?!」

「笑里ね、ずっと同い年の友達欲しかったんだ~」

「私も! まだ友達っていえる友達がいなかったから嬉しい」

「『REI』のグループLINEも招待するね」

「ありがとう」

個人LINEを交換すれば、すぐに招待メッセージが来て、私はグループLINEに参加した。
何げなく見たメンバーのアイコンの中に線香花火が見える。

(あ……怜のアイコン……線香花火)

きっと映画の撮影で使った、線香花火なのだろう。

(最後に二人で海で線香花火したな……)

他人でと言われるくらいだ。
私との思い出なんかきっと忘れてしまっている。

そうわかっていても海辺で一度だけ、怜と花火したこと、別れを切り出されたこと、最後のキスは涙の味がしたことを私は忘れられない。


「花ちゃん?」

ハッと顔を上げれば、笑里ちゃんの大きな瞳と目が合った。