恋のエンドロールでキスをして【小説版】

(え……っ)

(いま、なんて)


固まった私を見ながら、冬野さんが言葉を続ける。

「さっき、小さい頃から映画が好きって言ってたわよね。ここにいるメンバー全員映画好きなの。そんなの当たり前だし、いちいち言うことでもないと思う。あと心に届く脚本書きたいから頑張るって、努力するのも当たり前」

「ちょっと椿姫」

柊さんが手のひらで制止しようとしてくれるが、冬野さんは私と視線を合わせたままだ。

「ここは仲良しサークルじゃないから」

胸が針で刺したようにズキンとして、浮かれていた自分が恥ずかしくなる。

怜と再会できただけじゃなくて、怜のと同じサークルで映画を作れることがすごく嬉しかった。

けれど、私の今の言動は全て『怜』が中心になっていて、本気で夢を追って多くの人の心に刺さる映画を作りたい想いに不純物が混ざっていると気付かされる。

浮ついた心を見透かされて、拳をぎゅっと握
った。

「……肝に、命じます……」

蚊の鳴くような声でそう言った私をじろりと睨むと、彼女はビールを飲み干した。

「海莉、ビールもう一杯」

「えっ! もう三杯目だよね?!」

「別にいいでしょ」

冬野さんが自分で注文しようと席を立とうとすれば、怜が彼女の手首を掴んだ。