恋のエンドロールでキスをして【小説版】

乾杯のあと歓迎会は和やかな雰囲気で進んでいた。

「へぇ~、じゃあ花ちゃんは中学の時から脚本に興味あったんだ」

柊さんが私と同じオレンジジュースを片手に、だし巻きを取り皿に乗せる。

「はい。いつか映画作りに携わりたいって思っていたので、こうやってサークルに参加させて頂けてすごく嬉しいです」

「ほんと助かる、脚本って誰でも書けるわけじゃないからさ~」

その言葉に斜め向かいの仙道さんが三杯目のビールを飲み干しながら頷く。

「そうだね。去年はギリギリまで探しても見つからなかったから、怜のシナリオでいったんだ」

「あの……それが視聴覚室に置いてあった作品ですか?」

「よく知ってるね」

仙道さんが涼やかな目を細めた。

(怜の書いた脚本で作った映画が『線香花火の夜に』なんだ)

「怜のシナリオも良かったけど、怜は次回作は監督兼カメラマンに全力注ぎたいって言ってたから。有瀬さんが書いてくれるなら助かるよ」


二つしか違ないとは思えない大人な雰囲気に、思わずドキッとしてしまう。

「ご、ご期待に添えるよう頑張ります」

そう言ってからオレンジジュースを飲みグラスを置くと、冬野さんとパチッと目があった。

「──怜以上のシナリオなんてそうそう書けないと思うけど」