恋のエンドロールでキスをして【小説版】

私と笑里ちゃんの前にはオレンジジュースがことんと置かれる。

ふとみれば、隣の柊さんもオレンジジュースだ。

「僕、誕生日きてなくてまだお酒飲めないんだ」

「なるほどです」

頷きながら視線を前に戻せば、怜がビールジョッキに手をかけるのが見えた。

(あ、怜は四月はじめが誕生日だから、もう二十歳なんだ)

(ビールとかなんか大人……)


少し見過ぎたかもしれない。
怜とパッと視線があって、ハッとすればすぐに逸らされる。

皆がグラスに手をかけるのを見ながら、柊さんが声を張った。

「それでは、新生REIにカンパーイ!」

心地よい音と共に、六つのグラスが合わさる。


正直、まだ不安しかない。
だけど、なぜだが期待で胸が膨らんでいく。

言葉では言い表せられない高揚感に、心が弾む。

甘酸っぱいオレンジジュースに口付けながら、ようやく私の物語の幕が上がった気がした。