恋のエンドロールでキスをして【小説版】

「最後は怜ね」

「俺はいい」 

視線が合いそうになって、怜が逸らす。

「ふぅん。僕が代理で喋っても?」

「は? なんで?」

柊さんが怜の肩に手をかけると耳元でにっこり笑う。


「嫌なら自分で言おうねー、怜ちゃん」

「……っ」

笑里ちゃんがクスクスと笑うのが聞こえる。

怜は柊さんの手を払いながら、ようやく視線を私に向けた。

「夏宮怜。メディア映像演出コース二回。専攻は監督、以上」

(怜も、メディア映像演出コースなんだ)


自分が受けている講義でまだ怜を見かけたことはない。
そもそも怜がいるとは思ってなかったのと人数も多いので、気づかなかった可能性はあるけれど。

「ぷっ、短すぎ」

「うるさい」

「まいっか。二人知り合いみたいだし」

柊さんの言葉に興味を引かれるように冬野さんが、怜に視線を向けたのが見えた。

「じゃあ花ちゃんから一言いい?」

「はい」

私は姿勢を正すと一呼吸置いてから話し始める。


「有瀬花と言います。メディア映像演出コース、脚本家志望の一回生です。小さい頃から映画が好きでずっと映画作りに携わりたいと思ってました。誰かの心に……届くような脚本を書けるよう、精一杯頑張りますので宜しくお願いします」

「はい、みんな拍手〜」

噛まずに言えたことに内心安堵しながら、拍手の中、お辞儀をすれば、ちょうど飲み物が運ばれてきた。