恋のエンドロールでキスをして【小説版】


「椿姫~もっと愛想良くできないの?」

「私?」

「花ちゃんが固まってんじゃん〜」

「そ、そんなことは……」

(やばい。顔に出てた……?)

内心焦りつつ、胸の前で手を振ってみるが冬野さんからは視線を外されてしまった。

「知らない。次、笑里」

「花ちゃん、ちなみに僕と椿姫と怜は同じ高校の腐れ縁だから」

「そう、なんですね」

さっき部室でのやりとりから柊さんと怜が仲がいい理由がわかり、心の中で納得する。

(高校生の怜ってどんな感じだったんだろう)

そんなことを考えていれば、柊さんが手のひらを向ける。

「はいはい、じゃあ笑里ちゃんど~ぞ」

「井筒笑里(いづつえみり)。海莉先輩と同じ身体表現・俳優コースの一回生で俳優目指してまーす」

星模様のネイルが施された手の人差し指を、頬の横に立てて首をかしげたポーズをする。

「かわいい……っ」

思わず口をついて出た言葉に彼女が大きな目を細める。

「ありがと。花ちゃんって呼ぶから、笑里って呼んでね」

「はい」

「もう〜同い年だから敬語なしにしよっ」

「あ、うんっ」

同い年と言うことと、彼女の無邪気な話し方から仲良くなれそうで嬉しくなる。

「笑里ちゃんは、仙道先輩と幼なじみなんだよ」

柊さんの言葉に笑里ちゃんが微笑み、仙道さんも目を細めるのが見えた。