恋のエンドロールでキスをして【小説版】

返事に困ったが、怜の映画を見たい気持ちは変わらないため、《《まだ》》、とつけたが怜はスマホに顔を向けたままだ。

ちなみに結局、サークルに入ることになっても怜からDVDを貸してもらえなかった。

「じゃあ今度僕の貸そうか?」

(!)

願ってもない言葉に食いつこうとすれば、すぐに怜が口を開く。

「見せなくていい」

「何それ。もうREIのメンバーなんだからいいじゃん。てかさっきから花ちゃんに言い方キツいのなんで?」

おちゃらけたトーンからふいに真面目な口調の柊さんに、心臓がどきっと嫌な音を立てる。

「柊さん、いいんです。その……夏宮さんが嫌がってるのに見たいってしつこく言ったの私だし」

「てことで。有瀬さんもそう言ってるから詮索なしで」

柊さんの前だし、なんとなく気を遣ったつもりで夏宮さんなんて初めて呼んだが、怜から苗字で呼ばれると、胸がチクンと痛んだ。


あんなにもう一度会いたかった怜がこんなに近くにいるのに、怜は遠い。

五年という期間を実感せずにはいられない。

「ふぅん……二人の関係ってよくわかんないな」

柊さんの言葉を最後に何とも言えない無言の空気が漂って、居心地が悪い。

なんだか居た堪れなくなって、ちらりと見た部屋の時計の針は集合時間を数分過ぎたところだ。

「花ちゃん、もうすぐ他のメンバー到着するからね」

「あ、はい……」

いつのまにか俯いていたようで、顔を上げれば柊さんがにこりと微笑んでいた。