恋のエンドロールでキスをして【小説版】

恐る恐る怜を見れば、バチッと目があって、じろりと睨まれる。

「そいつだけはダメだかんな」

「はぁあ。なになに~怜ちゃん今日は特にご機嫌斜めじゃん」

「その呼び方やめろって言ったよな」

「そうだっけ? 可愛くていいじゃん」

「お前なー」

立ち上がった怜よりも、柊さんは二センチほど背が高い。あきらかに不機嫌な怜の肩に長い腕を回すと、至近距離で怜を見つめた。

「てことで監督いい?」

「無理」

「僕の一生のお願いなんだけど?」

「何回目の一生のお願いだよ。ばか」

「あれ、ほっぺ赤いよ」

「人の話聞け。てかお前、距離感バグってんのどうにかしろよ」

怜はついに海莉の腕を引き剥がすと、不貞腐れたようにふいっとそっぽを向く。

(友達と話してる時の怜初めて見た)

(すごく……仲良しそう)


不謹慎ながら、知らなかった怜の一面を見れてやっぱり嬉しくて、もっと彼を知りたくなる。

「ああ、もういいや! 怜のことは置いといてさ。花ちゃん、脚本書いてみない?」

「おい、何で花を勝手に名前で……」

「あれれ? 花ちゃん呼び捨て? やっぱ知り合いなんだね」

「黙れ、海莉。もういい加減に……」

顔面偏差値の高い二人のじゃれあいを微笑ましく見ながら、私は決意を固めた。

「入会させてくださいっ」