恋のエンドロールでキスをして【小説版】

表には用具室と書かれてあったが、中にはDVDの棚と映像機材が置かれていて、中央には小さなガラステーブルと、怜が寝転んでいるエンジのソファーの周りには丸椅子が三つ並んでいる。

ところどころヒビ割れた無機質なコンクリートの床には、古い小説や映画関連と思しき雑誌がいくつも積み上がっている。

(ここ、何だろう……)

すぐに私の興味の視線を断ち切るように怜が口を開く。

「ここ関係者以外立ち入り禁止。用ないなら出てけよ」

「……嫌よ」

「は?」

私は怜に歩み寄るとガラステーブルに置いてある、先程怜が持っていたDVDを指差した。

「私、それ見たい。だって怜の映画なんでしょう?」

怜が面倒くさそうに上半身を起こすと、DVDの表面を指先でトンと鳴らした。

「……これは花が思ってるような映画じゃない」

「それ……どう言う意味?」

「さあな」

ふいと視線を逸らされて、彼からの拒絶に胸がズキンとする。

それと同時に彼の考えがわからなくてもどかしくて、怒りが湧いてくる。

「貸して」

「断る」

私は怜の言葉を無視すると、勢いよくDVDに手を伸ばした──が、足元の雑誌に躓き思い切りバランスを崩す。 

「……きゃっ」 

「花っ!」

怜の声と共にわずかに体が宙に浮いた。

(──っ)