おしゃれハッカー

 委員会の活動で帰りの遅くなったんだろうね。わたしのことを好き勝手に言ってくれる。
 気にしないようにしているけれど、こんな姿をらにちゃんに見られて、なんだかとっても恥ずかしい。
 ……あれ、おかしいな。
 わたしは冷静なつもりなのに、こころがざわざわしてる。
 夕陽を背にして、長く伸びた自分の影を、わたしはどれくらいぼんやりと眺めていたんだろう。あんなことを言われたくらいで胸がざわつくのは、自分に自信がないからだろうな。
 もっと可愛くておしゃれだったら自分に自信が持てたかもしれないのに……。今のままじゃ、自分のこころにある『正しい友達』と思うものに胸をはれないんだ。このまま人間の友達を作らずにロボットと生きていくのかな? これからの時代ってそうなっちゃうのかな? でも、らにちゃんが『とっても大切な友達』だっていう気持ちは、人間の友達に負けないよ!
「マナちゃん、これからどうするらに?」
 わたしに気をつかっているのか、それとも無邪気なのか、らにちゃんが話題をそらしてる。ま、くよくよしてもしょうがないか。わたしは自分が好きなことをやることくらいしか才能がない地味な女の子なんだもん。
「ふっふっふ、だいじょうぶ! ひらめいちゃった! 幽霊なら見つけられないけれどロボットなら見つける方法があるの!」
 わたしがランドセルから取り出したのは磁石。磁石には鉄を引き寄せる力がある。つまり、機械なら磁石にくっついちゃうというわけ。
「どう? 磁石でロボットをつかまえようってアイデア。論理的に考えてイケてる作戦でしょ」
「うーん、でも、その磁石、小さすぎてダメなんじゃないからに?」
「あ、そうか。それもそうだよね。でも、そうとなると方法がないわね……」
 わたしったら何を言っているんだろう。普段ならこんなミスはしないのに。
「マナちゃんはおっちょこちょいらに」
「返す言葉もございません」
 そんな時、ちょうど下校のチャイムがスピーカーから流れてきたの。
「時間切れか。結局、全ての謎は解き明かせなかったな……」
 登下校の時間は校門を通過するときにランドセルについた機械で記録されるようになっている。だから、早く帰らないと明日先生に怒られてしまう。
「また明日調べればいいらに」
 らにちゃんと話をしていると小さな女の子がいつの間にか砂場に立っているのが視界に入った。さっきまであんな女の子いたかしら。