三人で手をつなぐと、風香ちゃんが以前わたしに抱き着いてきたように飛び込んできて、わたしたちはお互いの鼓動を感じあった。あたたかくて、太陽に抱かれているみたい。あつい何かが胸の奥からこみ上げて、いつの間にかドキドキが心地いい。もっと、もっとドキドキしたいっ!
♪
はずかしいだってこどもだもん あこがれのキラキラ
身につけるのはみらい色のおまじない 瞳にうつるきみにはないしょのひみつ
ひとりぼっちでいたの ふんわりやわらかなこころ
きみが連れ出してくれた次のステージ 勇気をくれたから言えちゃうかも スキ?
気持ちを隠さないで ふんわりだきしめて いっちゃうよ
ずっと友達だなんて その関係飛び越えたいっ
はずかしいだってこどもだもん だいすきのドキドキ
♪
空が割れ、まぶしい夕日が顔をのぞかせる。これは大成功なんだね! やったー!
暴走していたロボットたちも大人しくなったよ! ああ、気持ちいい! 歌っているうちにひとつの感情が生まれちゃった。
みんなはどんな気持ちなのかな? 同じだといいな……。
「おいっ! あの子たちは! 四葉駅でゲリラライブをしていた子じゃないのか?」
「あ、あの? 記者の皆さま? 落ち着いてください」
作業着姿のおじさんは想定外の事態にあたふたしながらも必死で注目をこちらに向けさせようと説得しているのが見える。
「ふっふっふ、あの子たちは凄腕のハッカーなんですよ!」
「本当か!? そういえば、あの記事を書いたのは週間ブルームの……」
「ええっ! この僕です!」
あ、この前の記者さんもこっちを見ている。
「ハッカーって、あの子たちまだ中学生かそのくらいじゃないのよ?」
「いや、コンピューターの天才はそのくらいの年齢が多いらしいぞ。うちは教育系出版社だからああいう天才にインタビューをすることもある」
「なんでハッカーが歌っているんだ? 意味がわからん? ハッカーってパソコンを使うんだろ」
「そもそもハッカーって犯罪者なんじゃないの?」
「あの子たちは歌っているだけだから罪にはならないだろ、不法侵入ってくらいじゃないか?」
記者さんたちは議論をしながらもカメラや携帯端末でわたしたちのことを撮影しはじめた。あまり長くはここにいられないね。
「あいつらを捕まえろ!」
とっても大きな声だったからわたしたちの耳にも届いた。
だけれど台車のロボットも警備のロボットも従業員の言うことを聞かない。
驚くことに機械の腕でわたしたちに拍手してくれたんだ。
「演奏よかったよ!」
知り合いの週刊ブルームの記者さんが拍手をすると、つられるように、他の記者さんまでもが拍手した。
「きみたちはいったい誰なんだ?」
質問には答えずに三人で颯爽と現場をあとにする。
風香ちゃんてば気持ちが強いね。よくあんなに大勢の真面目そうな記者さんを相手にして宣伝ができるよ。
「ところでらにちゃん、宝石がないよ? なんでなの?」
「今回の事件はコンピューターウィルスが原因じゃないからぷに」
言われてみればそうか、自作自演なんだもんね。自分たちで機械を暴走させていただけだったんだ。
「大人がわざと情報をもらしていたんだっけ、ずるいな……」
わたしは気持ちが沈んで、小さな声でつぶやいた。結局、一番悪いのはまた人なんだね。
「愛花ちゃん、今回はこれでプログラムが修復されたんだから良しとしようよ。一歩間違えたら大変なことになっていたかもしれないんだからさ」
優海さんは微笑みながらわたしの頭をいつものように撫でてくれた。
「そうらに、みんながんばったらに!」
優海さんの言う通りだ、さっさと女子トイレに戻らないとね!
ドタドタと通路を駆け上る大人の足音が遠くへ行ったことを確認して、わたしたちはらにちゃんに教えてもらった変身を解く呪文を風香ちゃんに伝えると、女子トイレの中で唱えた。
「「「やったー!」」」
思わず三人でハイタッチ! だって、この難事件をぜーんぶ子供だけのハッカーチーム『ショコラ』が解決したんだからね!
♪
はずかしいだってこどもだもん あこがれのキラキラ
身につけるのはみらい色のおまじない 瞳にうつるきみにはないしょのひみつ
ひとりぼっちでいたの ふんわりやわらかなこころ
きみが連れ出してくれた次のステージ 勇気をくれたから言えちゃうかも スキ?
気持ちを隠さないで ふんわりだきしめて いっちゃうよ
ずっと友達だなんて その関係飛び越えたいっ
はずかしいだってこどもだもん だいすきのドキドキ
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空が割れ、まぶしい夕日が顔をのぞかせる。これは大成功なんだね! やったー!
暴走していたロボットたちも大人しくなったよ! ああ、気持ちいい! 歌っているうちにひとつの感情が生まれちゃった。
みんなはどんな気持ちなのかな? 同じだといいな……。
「おいっ! あの子たちは! 四葉駅でゲリラライブをしていた子じゃないのか?」
「あ、あの? 記者の皆さま? 落ち着いてください」
作業着姿のおじさんは想定外の事態にあたふたしながらも必死で注目をこちらに向けさせようと説得しているのが見える。
「ふっふっふ、あの子たちは凄腕のハッカーなんですよ!」
「本当か!? そういえば、あの記事を書いたのは週間ブルームの……」
「ええっ! この僕です!」
あ、この前の記者さんもこっちを見ている。
「ハッカーって、あの子たちまだ中学生かそのくらいじゃないのよ?」
「いや、コンピューターの天才はそのくらいの年齢が多いらしいぞ。うちは教育系出版社だからああいう天才にインタビューをすることもある」
「なんでハッカーが歌っているんだ? 意味がわからん? ハッカーってパソコンを使うんだろ」
「そもそもハッカーって犯罪者なんじゃないの?」
「あの子たちは歌っているだけだから罪にはならないだろ、不法侵入ってくらいじゃないか?」
記者さんたちは議論をしながらもカメラや携帯端末でわたしたちのことを撮影しはじめた。あまり長くはここにいられないね。
「あいつらを捕まえろ!」
とっても大きな声だったからわたしたちの耳にも届いた。
だけれど台車のロボットも警備のロボットも従業員の言うことを聞かない。
驚くことに機械の腕でわたしたちに拍手してくれたんだ。
「演奏よかったよ!」
知り合いの週刊ブルームの記者さんが拍手をすると、つられるように、他の記者さんまでもが拍手した。
「きみたちはいったい誰なんだ?」
質問には答えずに三人で颯爽と現場をあとにする。
風香ちゃんてば気持ちが強いね。よくあんなに大勢の真面目そうな記者さんを相手にして宣伝ができるよ。
「ところでらにちゃん、宝石がないよ? なんでなの?」
「今回の事件はコンピューターウィルスが原因じゃないからぷに」
言われてみればそうか、自作自演なんだもんね。自分たちで機械を暴走させていただけだったんだ。
「大人がわざと情報をもらしていたんだっけ、ずるいな……」
わたしは気持ちが沈んで、小さな声でつぶやいた。結局、一番悪いのはまた人なんだね。
「愛花ちゃん、今回はこれでプログラムが修復されたんだから良しとしようよ。一歩間違えたら大変なことになっていたかもしれないんだからさ」
優海さんは微笑みながらわたしの頭をいつものように撫でてくれた。
「そうらに、みんながんばったらに!」
優海さんの言う通りだ、さっさと女子トイレに戻らないとね!
ドタドタと通路を駆け上る大人の足音が遠くへ行ったことを確認して、わたしたちはらにちゃんに教えてもらった変身を解く呪文を風香ちゃんに伝えると、女子トイレの中で唱えた。
「「「やったー!」」」
思わず三人でハイタッチ! だって、この難事件をぜーんぶ子供だけのハッカーチーム『ショコラ』が解決したんだからね!


