「ニャーちゃんのことは許可してくれてありがとう。でも、おしゃれプログラムって、そういう意味じゃないよ」
パパなら何かを知っていると思ったんだけどな。って、なんでパパったらそんなことくらいで落ち込んでるのよ。わたし、酷いことを言ってないよね!?
「パパ、それより、お仕事がんばってね。元気な赤ちゃんが産まれるの楽しみにしているんだから」
「うん! 仕事のことは任せておきなさい!」
パパったらお薬や注射器の入った仕事用の鞄をトランクに詰め込んだら、白衣のまま車に乗り込んでしまった。獣医さんは犬や猫だけじゃなく、馬や牛、魚から鳥までいろんな生き物のことを勉強しないといけないからとっても大変なのだそうだ。海外では人間のお医者さんになるより動物のお医者さんになる方が難しいという話も、身近にいると納得できる。
「獣医さんってかっこいいよね」
見送ったパパのミニバンは高級車じゃない。だけど、とってもかっこよく見えるの。
「そうらにね。マナちゃんはみんなに優しいから獣医さんも似合うらに!」
「う~ん、でも勉強はあんまり得意じゃないんだよね」
獣医か……わたしには無理じゃないかな。決めつけるのは良くないと思うけれど、少しずつ現実のようなものがわかってくる。特別な才能の持ち主でなくても努力をすれば夢は叶うの? そんなことを考える子供と大人の中間地点。
「ニャニ柄にもなく落ち込んでるニャ」
ニャーちゃんが足にまとまわりついてきた。もふもふの長毛種の猫ロボット。汚れたモップみたいだったニャーちゃん。変身を解いたわたしは連れ帰ってすぐにペット用シャンプーでニャーちゃんを洗ってあげた。そしたら見違えるようにキュートになったんだよね!
「えへへっ、なぐさめてくれるんだ~なによ! いいやつじゃん。ニャーちゃんありがとう」
「ニャ! 抱きつくニャ! こ、これはそうプログラムされているだけニャ!」
一人と二匹、まったりとくつろいでいると8時に時計が鳴った。習い事をしている子はこのくらい遅くまで勉強やスポーツをしているみたい。同い年なのになんだかとっても大人な感じよね。わたしなんてTVを観ているか宿題をしているだけだもの。
だから、こんな時間にお出かけするのは怖いような楽しみなような、ちょっと不思議な感じ。まるで大人になったみたい。
「今回は最初からおしゃれハッカーになろうと思うの」
「マナちゃん、やる気全開らにね! わかったらに! おしゃれプログラムの呪文を唱えるらに」
「OK! ロジカルマジカルおしゃれになーれ!!」
らにちゃんが輝くと光の粒がわたしに巻き付いておしゃれなドレスに大変身!
うんうん、最初は恥ずかしかったけれど、この格好わりと好きかも。わたしって小さな頃から女の子向けの正義の味方が活躍するアニメを観て憧れていたからね。
「よーし、出かけるわよ! ニャーちゃんはお留守番をお願いね!」
「言われなくてもそれがオレの仕事ニャ。元は人間を癒し、家に入り込む泥棒を撃退するロボットだったからニャ」
「おお、頼もしいわね」
わたしはメモに鉛筆。それに街の地図とお菓子の飴玉、ハンカチ、それに絆創膏を、いつか使おうと思って買ったまま小物入れになっている小さなコスメポーチに入れた。
専用の携帯端末はまだ早いってパパに言われているから持っていない。
「誰もいないけど、なんだかワクワクするね」
夜のピクニックみたいでちょっぴり楽しい。夜の街って、昼間とは全く違うのね。自動車の音もないし、とっても静か。この辺が住宅街だからっていうのもあるんだろうけれど。
「マナちゃん、なんでこそこそ隠れながら進むんだらに?」
「だってさ、警察官にばったりあったら面倒じゃない。子供がこんな時間に出歩ていたらパパを心配させちゃうよ」
「へぇ、警察官って僕のこと?」
聞き覚えのある女の子の声!
「うわあっ! あなた、一体どこから出てきたのよ!」
「内緒さ。警察官だからね」
それは理由になっていない気がする。
「それにしても、まさか本当に子供が一人で来るとは思わなかったよ」
パパなら何かを知っていると思ったんだけどな。って、なんでパパったらそんなことくらいで落ち込んでるのよ。わたし、酷いことを言ってないよね!?
「パパ、それより、お仕事がんばってね。元気な赤ちゃんが産まれるの楽しみにしているんだから」
「うん! 仕事のことは任せておきなさい!」
パパったらお薬や注射器の入った仕事用の鞄をトランクに詰め込んだら、白衣のまま車に乗り込んでしまった。獣医さんは犬や猫だけじゃなく、馬や牛、魚から鳥までいろんな生き物のことを勉強しないといけないからとっても大変なのだそうだ。海外では人間のお医者さんになるより動物のお医者さんになる方が難しいという話も、身近にいると納得できる。
「獣医さんってかっこいいよね」
見送ったパパのミニバンは高級車じゃない。だけど、とってもかっこよく見えるの。
「そうらにね。マナちゃんはみんなに優しいから獣医さんも似合うらに!」
「う~ん、でも勉強はあんまり得意じゃないんだよね」
獣医か……わたしには無理じゃないかな。決めつけるのは良くないと思うけれど、少しずつ現実のようなものがわかってくる。特別な才能の持ち主でなくても努力をすれば夢は叶うの? そんなことを考える子供と大人の中間地点。
「ニャニ柄にもなく落ち込んでるニャ」
ニャーちゃんが足にまとまわりついてきた。もふもふの長毛種の猫ロボット。汚れたモップみたいだったニャーちゃん。変身を解いたわたしは連れ帰ってすぐにペット用シャンプーでニャーちゃんを洗ってあげた。そしたら見違えるようにキュートになったんだよね!
「えへへっ、なぐさめてくれるんだ~なによ! いいやつじゃん。ニャーちゃんありがとう」
「ニャ! 抱きつくニャ! こ、これはそうプログラムされているだけニャ!」
一人と二匹、まったりとくつろいでいると8時に時計が鳴った。習い事をしている子はこのくらい遅くまで勉強やスポーツをしているみたい。同い年なのになんだかとっても大人な感じよね。わたしなんてTVを観ているか宿題をしているだけだもの。
だから、こんな時間にお出かけするのは怖いような楽しみなような、ちょっと不思議な感じ。まるで大人になったみたい。
「今回は最初からおしゃれハッカーになろうと思うの」
「マナちゃん、やる気全開らにね! わかったらに! おしゃれプログラムの呪文を唱えるらに」
「OK! ロジカルマジカルおしゃれになーれ!!」
らにちゃんが輝くと光の粒がわたしに巻き付いておしゃれなドレスに大変身!
うんうん、最初は恥ずかしかったけれど、この格好わりと好きかも。わたしって小さな頃から女の子向けの正義の味方が活躍するアニメを観て憧れていたからね。
「よーし、出かけるわよ! ニャーちゃんはお留守番をお願いね!」
「言われなくてもそれがオレの仕事ニャ。元は人間を癒し、家に入り込む泥棒を撃退するロボットだったからニャ」
「おお、頼もしいわね」
わたしはメモに鉛筆。それに街の地図とお菓子の飴玉、ハンカチ、それに絆創膏を、いつか使おうと思って買ったまま小物入れになっている小さなコスメポーチに入れた。
専用の携帯端末はまだ早いってパパに言われているから持っていない。
「誰もいないけど、なんだかワクワクするね」
夜のピクニックみたいでちょっぴり楽しい。夜の街って、昼間とは全く違うのね。自動車の音もないし、とっても静か。この辺が住宅街だからっていうのもあるんだろうけれど。
「マナちゃん、なんでこそこそ隠れながら進むんだらに?」
「だってさ、警察官にばったりあったら面倒じゃない。子供がこんな時間に出歩ていたらパパを心配させちゃうよ」
「へぇ、警察官って僕のこと?」
聞き覚えのある女の子の声!
「うわあっ! あなた、一体どこから出てきたのよ!」
「内緒さ。警察官だからね」
それは理由になっていない気がする。
「それにしても、まさか本当に子供が一人で来るとは思わなかったよ」


