マッチングアプリのお相手は、嘘つきな陸上自衛官でした


「いくつか頼んでシェアしましょうか。食べたいものがあれば遠慮なく」

 メニューを開くなりそう言われたが、見た瞬間に目が点になる。

 アンディーブのインサラータ。
 タルトゥファータのクリームパスタ。
 黒毛和牛のビステッカ。

 果たして、どんな料理だろう。

 前菜からメインまで、まるで想像もつかない。初めて見る横文字ばかりで、分かる料理名はせいぜい半分くらいだった。

 一方の彼は、これが美味しそうだと慣れたように候補をあげていくもので、どんな料理ですか、なんて聞くに聞けなかった。

「決まりましたか?」

「えっと、どれも美味しそうで迷っちゃって。おまかせします」

 それらしいことを言って、つい見栄を張った。

「改めまして、片山倫也(ともや)と言います」

 白ワインで乾杯をするなり、改まったように自己紹介が始まる。

「えっと、宮野(みやの)涼香です。よろしくお願いします」

 つられて私もそう名乗ると、ちょうど前菜がテーブルに並ぶ。