マッチングアプリのお相手は、嘘つきな陸上自衛官でした


 そして、約束の週末が訪れた。

【ダークグレーのスーツでいきます】
【青のワンピースに白い鞄を持っています】

 私の職場近くの駅前で待ち合わせをすることになり、お互い服装の目印だけを教え合った。

 今朝は、服装に一段と悩んだ。

 仕事終わりの食事だからあまり気合いを入れすぎてもいけない。

 萌や同僚からなにか勘付かれると嫌だし、かと言って仮にも初デートに仕事みたいな格好で行くのもどうだろうか。

 それで選んだのが、女性らしい綺麗めなシルエットのコーディネート。

 あまり普段ははかないヒールの高いパンプスを履いたから、少し足に違和感があるけれど。

「ああ、緊張する」

 そわそわしながら、もう何度も時計を気にした。

 今日は定時で仕事を終わらせて、さらに予定よりも一本早い電車で到着した。

 改札付近にそれらしい人はいなくて、私の方が先についてしまったようだ。

 待ち合わせ時間まで、あと十分。

 デート自体久しぶりなのに、相手が初対面ともなると余計に緊張して落ち着かない。