マッチングアプリのお相手は、嘘つきな陸上自衛官でした


 「もしよければ、紹介しましょうか? それこそ誠実でいいやつですよ。ちょっと真面目すぎるくらいだけど——」

 「自衛官と付き合えるほど、私、心広くないんですよね」

 ぽつりと口をついて出た言葉。

 言ってから、浮かんだ黒い感情に気づき、ハッとする。

「……って、今のは失礼でしたよね」

 あまりにも無意識で、自分自身が驚いた。

「ちょっと酔ったかなー」

 空気が凍り付いたのを感じ、必死で笑って誤魔化した。

 バーテンダーの男性は近くの女性客に呼ばれていき、一気に肩の力が抜けた。

「適当に流せばいいものを。真面目か」

 優里の呆れたような眼差しに、小さく「ごめん」と返した。

 自分でもなんであんなことを言ってしまったのか。

 ただのサービス会話だっただろうに、本気にしてしまった。

 生真面目な私には、こういうアプリも向いていないのかもしれない。

 そのまま本当に登録だけして、そっと画面を閉じていた。