大きな窓の外側では、風に吹かれた木の葉がクルクルと舞っている。
かなり冷めきったオレンジ・ペコを飲みながら、葵はそうだなぁと、あいまいな笑みを浮かべてみせた。
だから私は、自分の発言をフォローするように、突き放して言うしかないんだ。
「ちゃんと、異性愛者なら異性愛者だって、断りなよ。面倒がらずに!」
「別に僕、性別にこだわりはないよ。男でも女でも、好きになったら関係ないし」
「えっ、バイなの、葵って!」
「……短絡的だなぁ、楓は。
男でも女でも、自分の気持ちがそれだけ傾けられる相手に出逢えるかどうか、そこが問題なわけであってさ。
求めているのは、そういう魂の結びつきみたいなものだよ。性的指向がどうのって話じゃなくて。
今のところ、写真やってるほうが楽しいし。邪魔されたくないって気持ちも、正直あるからなぁ」
のんきに言い切って、傍らのCDケースに手を伸ばす。
楓が好きだよね、このアーティスト。
さっきの彼の置き土産だけど、良かったらあげるよ、僕は興味ないから。
……あんた、私にケンカ売ってんの? この人の曲聴いてると、落ち着くのよ。
私の還るべき場所なのよ──。
「あ。もうこんな時間……」
「夕飯食べていきなよ、楓。どうせ、えつさんも用意してくれてるだろうし」



