何か、アイツの弱みでも握った?
とは思ったものの、残されたのは一ヶ月以上も口をきいてない、葵と私だけ。
気まずい……。
アイツの顔を見て飛び出しては来たものの、葵と顔を合わせて会話をする勇気がまだなかった。
それで立ち去りかけたのだけど、葵に痛めてない方の腕をつかまれた。
「最近、僕の家に来ないよね? まだ……怒ってるの? この前のこと」
私はちょっと笑った。
「そんなワケないじゃん。治療とかリハビリで忙しかっただけ」
言い繕って、葵の手をさりげなく振りほどき、バス停へと向かう。私のあとを、葵が追ってくる。
「楓の気持ちを考えなかったのは確かに僕が悪かったと思う。
でも、考えてもみなよ。キスするのに、いちいち断りを入れるなんて、無粋じゃないか。
僕は、そう思うけど。そんなの訊くほうが変だよ」
だいたいさ……と、なおも続く葵のおかしな言い分に、だんだんと腹が立ってきて、
「葵には、私の気持ちなんて、一生解らないっ」
と、ついには怒鳴り返してしまった。
最初は適当に聞き流すつもりだったけど、葵の無神経さに、だんだん我慢ができなくなってしまったんだ。
葵の言わんとすることは、解る。
だけどそれは、恋人間で成り立つ決まりごとで、ただの幼なじみの私達のあいだでは、成立しない。
とは思ったものの、残されたのは一ヶ月以上も口をきいてない、葵と私だけ。
気まずい……。
アイツの顔を見て飛び出しては来たものの、葵と顔を合わせて会話をする勇気がまだなかった。
それで立ち去りかけたのだけど、葵に痛めてない方の腕をつかまれた。
「最近、僕の家に来ないよね? まだ……怒ってるの? この前のこと」
私はちょっと笑った。
「そんなワケないじゃん。治療とかリハビリで忙しかっただけ」
言い繕って、葵の手をさりげなく振りほどき、バス停へと向かう。私のあとを、葵が追ってくる。
「楓の気持ちを考えなかったのは確かに僕が悪かったと思う。
でも、考えてもみなよ。キスするのに、いちいち断りを入れるなんて、無粋じゃないか。
僕は、そう思うけど。そんなの訊くほうが変だよ」
だいたいさ……と、なおも続く葵のおかしな言い分に、だんだんと腹が立ってきて、
「葵には、私の気持ちなんて、一生解らないっ」
と、ついには怒鳴り返してしまった。
最初は適当に聞き流すつもりだったけど、葵の無神経さに、だんだん我慢ができなくなってしまったんだ。
葵の言わんとすることは、解る。
だけどそれは、恋人間で成り立つ決まりごとで、ただの幼なじみの私達のあいだでは、成立しない。



