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「なんだよ。そっちから誘っておいて、そりゃねーだろ。お前だって、その気があんじゃねーのかよ?」
……またか。
葵の部屋(といっても、葵は他にもいくつか自分の部屋を持っている)の前で、溜息をついた。
誤解されないうちにやめときなって、あれほど忠告してあげたのに。
懲りずにまた、オトコ連れこんで。
しかも、ご丁寧に時間見計らって私を呼んでいるあたり、抜かりがない。
「そういう言い方って、白けるよねぇ。どうせなら、もっとマシな誘い方してほしいな」
挑発的な笑みを浮かべる葵の顔が、容易に想像できる。悪いけど、聞いてるこっちの方がシラケるよ。
誰のための小芝居なんだか、まったく。
家政婦のえつさんから預かったお茶セットを扉の前に置き、そのまま帰ってしまおうかとも思う。
その瞬間に響いた、扉の向こうの鈍い音さえしなければ。
……帰れそうもない、か。
「はい。お茶が入りましたよー」
さりげない口調でなかに入るのは、毎度毎度の騒動にあきれ半分の思いからと、相手を刺激させないためのもの。
実際、相手の動きは、止まってくれてるし。
葵好みのルックスだな、というのが第一印象。
いわゆる体育会系の美丈夫が、がっちりとした筋肉質の上半身裸をさらし、葵のシャツを引き裂かんばかりに手をかけ、こちらを見ている。
チッと舌打ちされた。



