冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。

人がたくさん集まれば悪い人もやってくるだろうから、憲兵の組織もしっかりと作らなければならない。

汽車がベス領の端まで伸びている事もあり、それをベス領の領都まで伸ばすのはそんなに難しい事ではない。

ただしベス領でもその工事に関しての負担金が必要になる。

ジャスミンならベス領の観光化をまず第一に推し進めるだろうと思う。

領都の経済が潤うしそれに伴ってベス家にも税収が入ってくる。

領都まで汽車を敷けば人がすぐに呼び込めるし、四~五年後ワインを出荷するのにも便利で輸送費も割安になる。

ワインだけでなく農作物や米、畜産品も輸送が楽になる。

それも一考するようにマイケルには言っておいた。

必要なお金は出し惜しむとチャンスを逃す。

大きな借金を抱えて無理をする必要はないがやってみる価値のある物なら、チャンスを逃さずにやってみるべきだとジャスミンはマイケルに教えた。

ベス領の懐具合はよくわからないが、両親もマイケルも散財している様子はない。

家具や絵画など昔から何も変わっていない。

三姉妹がいなくなったことでドレスや宝石など社交にかかるお金が必要なかったのも大きいのではないかと思っている。

だから貯えは充分あるはずなのだ。

父親の病気にお金がかかっているのかも知れない。

その辺は昔からベス家に仕えてくれている信頼できる家令に相談してみると良いとも伝えた。

十九歳でその辺のことを決断するのは勇気がいるだろう。

デイジーにそう言うと、”ジャス姉様が王都に行こうって決めたのも十九歳の時だったじゃない”と事も無げに言った。

確かにそうだった。

その為にコツコツと八年間も努力していたのだ。

でもその時のジャスミンには二十六歳の前世の知識と度胸があったのだ。

それと比べられるとマイケルは可哀そうだ。