冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。

マキシミリアン一行が行ってしまった後、ジャスミンは気が抜けたようになったが、見送りに来ていた宰相に落ち込まないようにと励まされた。

ジャスミンは自分はかなりマキシミリアンが好きなのだとなぜかそんなときに自覚させられた。

週に一度は届くマキシミリアンの手紙がジャスミンは楽しみで仕方がなかった。

そして返事を書くのもまた楽しかった。

マキシミリアン達が隣国に旅立ってから二ケ月経った頃に宰相がお忍びでジャスミンに会いに来た。

宰相様とは彼の十六歳の娘カレンの誕生日パーテイをアテンドした時に何度かあっている。

実はその時期結婚式が二つ重なり最初は無理だと断ったのだ。

彼女はキンバリーの妹のジュリの誕生日に来ていたらしく花馬車に乗りたいのとジャスミンに心酔していて“ジャスミン様に引き受けてもらえないなら一生お父様と口を利かない”と言われたそうだ。

そこで宰相はマキシミリアンにジャスミンに何とか引き受けてもらえないかと後押しを願い出たのだ。

そこまでされると断ることもできなくてジャスミンは、女の子にとって大切な節目の十六歳のパーテイを引き受けたのだ。

宰相の娘カレンは冬の生まれだ十一月の末では中庭でのパーテイは難しい。

そこで大広間を会場にした。

クリスマスツリーを参考に背の高いもみの木を伐りだして来て、薪用の木をやぐらに組んで木を入れた鉢を隠し真赤な布で足元を覆った。

そして木をクリスマスツリーのように飾った。

電飾も魔石を使って何でも屋に造らせた。

魔石とは魔力を纏った石で、電池のようなものだ。

小さな魔石で充分だったので沢山の電飾を作ったのだがそんなにお金はかからなかった。

そして玄関口の花壇や低木にも電飾を施してまるでクリスマスのイルミネーションのようにしたのだ。

ブリキに王子様と王女様の立ち姿を画家のムーシュに書いてもらいその周りにも電飾を施した。

ムーシュは楽しいと言って躍動感あふれる馬や夢の様なお城も描いてくれた。

ジャスミンは森に行ってツルを取って来て直径五十センチのリースを作りユーカリや松ぼっくりやドライになっても美しい大き目の花で飾りそれにも電飾を付けて宰相宅の玄関ドアに付けた。

勿論この国にはキリスト教はないのでクリスマスもない。

だからすごく注目された。