目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です

​だが、システムから吐き出されたRAWデータには、入力ミス、全角半角の表記揺れ、重複データ、さらにはシステム改修時の仕様変更による過去データの欠損など、無数の「罠」が潜んいた。

真由は誰に言われるでもなく、連日ひとり黙々とVBAマクロや関数を駆使して数万行のデータをクレンジングし、過去の紙資料の記録とつき合わせて欠損を補正していた。

​「ただの数字の集計」ではなく、「意思決定に使える正確な事実」に仕上げるための泥臭い前処理をした。

会議当日、役員から「この数字、本当に正しいのか?」と鋭い突っ込みが入った際、真由はブレることなくデータ補正のロジックと根拠を完璧に提示した。

そのデータに基づいた戦略提案は見事通過した。

​同僚からは「真由さんは分析センスがあってすごい」と一言で片付けられがちだ。

でも、その裏には誰にも気づかれない「生のデータを徹底的に磨き上げる作業」が存在していた。