目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です

​だが、その足で向かった役員フロアの給湯室の前。

真由が1人で淹れたての温かいお茶を持ち、誰にも見えないように丁寧にお辞儀をしてすれ違った瞬間――。

​鷹司の口元が、ほんの数ミリだけ、誰にも気づかれないほど優しく綻んだことを知る者は、社内に1人もいなかった。