目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です

真由は思わず窓の外を見る。

すっかり日が落ちかけた秋空が広がり、街路樹の葉も色づき始めている。

冷房どころか、そろそろ暖房の試運転を検討してもいい季節だ。

​完璧な副社長の、あまりにも唐突で苦しい言葉。

真由は一瞬、「副社長、もう秋ですが……?」と真顔で突っ込みそうになるのをぐっと堪えた。

ここでそれを言ってしまうのは野暮というものだと思った。

目の前にいる完璧主義の男が、自分に対してどんなにぎこちなく、不器用な気配りをしようとしているのかが分かってしまったからだ。

​(……気まぐれな配慮、なんかじゃなかった)

胸の奥をかすめていた小さな寂しさが、一瞬で温かいものへと変わっていく。

​真由はうつむきかけ、それからフッと柔らかく微笑むと、鷹司の目を真っ直ぐに見つめ返した。


「……ご心配、ありがとうございます。そうですね……」


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