目立たない総務の私ですが、ハイスペック副社長がジレ甘です

「『これで明日もなんとかなりそうです』と安心しきった顔をしていた。彼らが自力で整合性の取れた資料を完成させられるわけがない。……この時間に君が居残り、複合機とデスクを往復している。考えればすぐに理解できる」

​鷹司は、社内の動向や社員の動きを正確に把握している。

​「手柄を主張するわけでもなく、印刷まで陰で黙々とフォローに回る……君らしいといえば君らしい」

​鷹司は腕時計に視線を送ると、フッと表情を緩めた。

​「他人の仕事の埋め合わせで、君の貴重な時間を削らせてしまった。役員人数分のセット、私も手伝おう」

​「えっ!? いえ、そんな! 副社長にお手を煩わせるわけにはいきません。資料のセットは今、終わりましたし」

​慌てて固辞する真由に、鷹司は無理強いはしなかった。

​「そうか。では、ひと足先に1部いただいていこう、一読しておきたい」

「どうぞ」