エリート学園の最上級王子は、地味な私を離さない。

鳳城家の晩餐会から数日。
学園では表向き何も変わらないはずなのに、私の中だけが落ち着かなかった。

鳳城くんのお父さんの言葉。
次の社交行事までに答えを出せ。

あれがどういう意味なのか、はっきり説明されたわけじゃない。
でも、試されているのは確かだった。

しかもあの夜。
屋敷の窓辺に立っていた、きれいな女性の姿が頭から離れない。

あの人はたぶん、鳳城くんのお母さんだ。

「ほのか」

昼休み、中庭でひとりになったところに低い声が落ちてきた。

「鳳城くん」

振り向くと、鳳城くんがまっすぐこちらへ歩いてくる。
いつもの余裕があるようでいて、今日は少しだけ表情が硬い。

「親父のことでまた変なこと考えてるだろ」

「……少しだけ」

「少しじゃない顔してる」

図星で、私は目をそらした。

鳳城くんは小さく息をつくと、私の隣へ腰を下ろす。