エリート学園の最上級王子は、地味な私を離さない。

翌日。
朝から私は、なんだか落ち着かなかった。

教室に入れば視線を感じる。
廊下を歩けば、ひそひそと小さな声が追いかけてくる。

昨日のことが、もう学年中に広まっているんだと思う。
鳳城くんが、みんなの前で私の名前を呼んだこと。
あの女子たちを牽制したこと。
そして、私が実力テストで学年二位を取ったことも。

「……はあ」

自分の席に座って、私はそっとため息をついた。

「朝から幸薄そうな顔してんな」

すぐ隣から降ってきた声に、びくっと肩が跳ねる。

「鳳城くん……!」

「その反応、そろそろ慣れろよ」

今日も鳳城くんは、眩しいくらい完璧だった。
金髪は朝日を受けてきらきらしているし、少し気だるそうに座っているだけなのに絵になる。

悔しいくらい、目立つ。

「ため息ついてた」

「ちょっとだけ……」

「昨日のこと気にしてる?」

私は返事に少し迷ってから、小さくうなずいた。

「だって、なんかすごく見られるし……」

「見とけばいいだろ」

「そんな簡単に言わないで」

思わずむっとしてしまうと、鳳城くんはおかしそうに笑った。