綺麗な花には毒がある。

「もしもし」

耳にスマホを当てた桜華の口から出る言葉。

その言葉が出た途端、ニヤッと口角が上がる。

は・・・・・・?

普段からは考えられないほどの、まるで別人のような表情。

俺はそんな桜華を見て固まってしまう。

「馬鹿だねぇ・・・・・・」

嬉しそうに机にトントンと指を当てる。

「じゃーね。切るよ」

そう言って桜華は通話を切る。

「ねぇ、氷霜くん」

桜華が俺の方を見ないでそう呟く。

俺はビクッと体が反応する。

そんな俺を面白そうに見、席を立って俺に近付く。

桜華はそのまま座ってる俺の前にしゃがみ俺の顎を人差し指で上げ目線が合うようにする。

「盗み聞きしちゃって〜いけないんだ〜」

嬉しそうに俺に言う桜華。

俺は脳の処理が追いつかないせいかそれとも目の前の人間に対しての恐怖心かで体が強張り動かない。

そのまま桜華はすっと立ち上がる。