氷の君に、恋の歌を。

しばらく歩いたあと、蓮斗がふいに手を握り直した。

「今日、教室でちゃんと言えてよかった」

「恋人ってこと?」

「ああ」

その声は静かだったけれど、どこかやわらかかった。

「前から思ってた。乃愛のこと、もっとちゃんと俺の隣に置きたいって」

そのひと言に、乃愛の胸が甘く揺れる。

「私はもう、ずっと隣にいたいよ」

思わずこぼれた本音に、蓮斗が足を止めた。

「……今の反則だろ」

「え?」

「普通に言うな。帰したくなくなる」

低く落ちた声が甘すぎて、乃愛はどきっとする。