【番外編】初恋が君に届くまで

(うーん……)

翌日出社した丈は、ひと通り業務をこなしたあと、ラウンジでコーヒーを飲みながら休憩していた。

「おっ、どうした、丈。マリッジリングがキラリと光る新婚さんなのに、悩みごとか?」

あとから来た草加が、丈の向かい側のソファに腰を下ろす。

「つむぎちゃんに愛想尽かされたか?」
「いや、相変わらず可愛い」
「いきなりノロケかい! まあ、そうだろうな。お前達のラブラブぶりは筋金入りだもんな。んー、じゃあ、あれか? 赤ちゃんまだかなーってやつ」

あ、赤ちゃん!?と、丈は仰け反って驚いた。

「おいおい、なにをそんなに驚く。晴れて夫婦となれば、あとは赤ちゃんだろうが」

そうか、そこに関してはまだ二人で話し合っていなかった。

(もしかしてつむぎは、それを悩んでいたとか? 恥ずかしがっていたのも、それか)

すると草加が明るく「つむぎちゃん、いいママになりそうだもんな」と言う。

(確かに……。つむぎは赤ちゃんが早くほしくて、だけど恥ずかしくてなかなか言い出せなかったのか)

考えれば考えるほど、そうに違いないと思えた。

「草加、サンキュー」

無事に謎が解けてスッキリする。

「ん? なんかよくわからんが、ユアウェルカム。嬉しい報告待ってるぞ」
「おう、任せとけ」

丈は草加にしかと頷いてみせた。