【番外編】初恋が君に届くまで

「綾瀬くん、お待たせ」

リビングのソファでタブレットを見ていた丈は、声をかけられて振り返った。

「準備できた……おっ、可愛いな、つむぎ」
「本当? デートだから張り切っちゃった」

そう言ってつむぎは自分の服装を見下ろす。

シアー素材のミントグリーンのショートボレロの下に真っ白なノースリーブワンピースを合わせ、髪は低い位置でポニーテールに結っていた。

「つむぎが髪を結んでるの、新鮮だな」
「ずっとボブだったもんね。結婚式のために伸ばして、そのままにしてたから、結んでみたの。変じゃない?」
「めちゃくちゃ可愛い。俺好み」

途端につむぎは頬を赤くする。

(まあ、つむぎ自身が俺好みだから、どうやったって全部可愛いけど)

そう思いながら立ち上がり、丈はつむぎに手を差し伸べた。

「じゃあ行くか」
「うん!」

しっかりと手を繋いで、二人で玄関を出た。