きみの居ない春を、まだ知らない






卒業式の日の朝


朝倉湊は、いつもより早く学校に着いた


誰もいない教室


窓際の自分の席に鞄を置く


隣の席には、まだ誰もいない


玲奈の席


机の上には、昨日までと同じように小さな傷がいくつかあった


湊はその傷を指でなぞった


今日で終わる


そう思った