きみの居ない春を、まだ知らない

玲奈は泣きそうになった


「それ、今は許す」


「ありがとう」


二人の間に沈黙が落ちる


でも


昔のような苦しい沈黙ではなかった


「玲奈」


「うん」


「もう一度、好きになってもらえるかな」


玲奈は答えなかった


桜を見上げる


八年前