きみの居ない春を、まだ知らない

「うん」


「今度はちゃんと帰ってくる」


玲奈は頷いた


「いってらっしゃい」


「行ってきます」


湊が歩いていく


玲奈はその背中を見つめた


八年前とは違う


あのときは


何も言われないままいなくなった


今は


帰ってくると約束してくれた


それでも


空港を出た瞬間


玲奈は涙を止められなかった