きみの居ない春を、まだ知らない

玲奈は歩きながら


ふと、昔のことを思い出した


高校三年の冬


初めて一緒に帰った日も雨だった


そのとき湊は


「玲奈って雨の日、嫌い?」


と聞いた


「嫌い」


「じゃあ、明日晴れるといいね」


「天気なんて分からないよ」


「じゃあ、晴れるように祈る」


そんなくだらない会話をした