きみの居ない春を、まだ知らない

自分に何か悪いところがあったのではないか


湊に嫌われたのではないか


それだけは、ずっと消えなかった


「……それだけでも、聞けてよかった」


玲奈が言うと


湊は少しだけ目を細めた


「ありがとう」


その日の帰り道


玲奈は湊の隣を歩きながら


八年前には知らなかったことを


少しずつ知っていくのかもしれないと思った