きみの居ない春を、まだ知らない

ある土曜日


二人は海沿いの道を歩いていた


春の風が少し冷たい


湊はカメラを首から下げている


「何撮るの」


玲奈が聞く


「まだ決めてない」


「写真家なのに?」


「写真家だから」


「意味分かんない」


玲奈が笑う


湊も笑った