きみの居ない春を、まだ知らない

「いないよ」


「……そう」


会話が途切れる


玲奈は窓の外を見た


夕暮れの街が、少しずつ夜に変わっていく


「玲奈は」


「何」


「八年間、幸せだった?」


突然だった


玲奈は答えられなかった


幸せだったかどうか


そんなことを考えたことがなかった