けれど、ひまりの手を見つめる目が苦しそうに揺れた。
「……そんなふうに言われたら、また甘くなる」
「もう十分甘いって」
臣のつっこみに、悠真が吹き出す。
「いやでも今日の総長、過去一重かったよね」
「おまえら、うるさい」
「だって事実だし」
律まで小さく言って、蓮がにらむ。けれど今のその目には、もう最初の険しさはなかった。
湊が手当てを終え、救急箱を閉じる。
「今日はもう解散でいいだろ。ひまりさんも疲れてる」
その言葉に、蓮がすぐ反応する。
「送る」
「予想通り」
「おまえは黙ってろ、悠真」
ひまりは立ち上がりかけて、ふと蓮の袖を引いた。
「その前に」
「何」
「お礼、言ってなかった」
蓮が目を細める。
ひまりは少しだけ勇気を出して、まっすぐ彼を見る。
「助けてくれてありがとう」
たったそれだけなのに、蓮の表情が止まった。
そして次の瞬間、ひまりの腕を引いて、自分の胸に閉じ込めるみたいに抱き寄せる。
「れ、蓮っ」
「無理」
「また無理って言った」
「今のは無理だろ」
耳元で落ちた声が低い。
「そんな顔で礼言われたら、抱きしめる以外できねぇ」
ひまりの鼓動が一気に速くなる。
保健室だということも、みんながいることも、一瞬でどうでもよくなりそうだった。
「……そんなふうに言われたら、また甘くなる」
「もう十分甘いって」
臣のつっこみに、悠真が吹き出す。
「いやでも今日の総長、過去一重かったよね」
「おまえら、うるさい」
「だって事実だし」
律まで小さく言って、蓮がにらむ。けれど今のその目には、もう最初の険しさはなかった。
湊が手当てを終え、救急箱を閉じる。
「今日はもう解散でいいだろ。ひまりさんも疲れてる」
その言葉に、蓮がすぐ反応する。
「送る」
「予想通り」
「おまえは黙ってろ、悠真」
ひまりは立ち上がりかけて、ふと蓮の袖を引いた。
「その前に」
「何」
「お礼、言ってなかった」
蓮が目を細める。
ひまりは少しだけ勇気を出して、まっすぐ彼を見る。
「助けてくれてありがとう」
たったそれだけなのに、蓮の表情が止まった。
そして次の瞬間、ひまりの腕を引いて、自分の胸に閉じ込めるみたいに抱き寄せる。
「れ、蓮っ」
「無理」
「また無理って言った」
「今のは無理だろ」
耳元で落ちた声が低い。
「そんな顔で礼言われたら、抱きしめる以外できねぇ」
ひまりの鼓動が一気に速くなる。
保健室だということも、みんながいることも、一瞬でどうでもよくなりそうだった。



