イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。

「でも会ったら、もっと欲しくなる。もっと一緒にいたくなる。帰したくなくなる」

そのひとつひとつが、やさしいのに残酷だった。

「だから、離れたほうがいいと思った」

紬は唇をかんだ。
涙がにじむ。
でも、ここで泣いて終わりたくなかった。

「じゃあ、私の気持ちはどうなるの」

湊が息を止める。

「好きって言われて、待つって決めて、それで急に離れられて。平気なわけないよ」

その声は、思っていたよりずっと弱かった。
強く言いたいのに、好きな相手にはうまく怒れない。
ただ苦しいだけだ。

「……ごめん」

「謝らないで」

「でも」

「謝るくらいなら、ちゃんと話して」

そのひと言に、湊の表情が崩れた。
いつもの平気な顔が、また少しだけ消える。

「無理なんだよ」

かすれた声だった。

「白石のこと考える余裕がない日があるのに、好きでいるのだけは止まらない」

紬の目から、とうとう涙が落ちた。