「白石さん」
真帆の声で我に返る。
「卵焼き、落ちるよ」
「あっ」
慌てて箸で支える。
その黄色い卵焼きを見た瞬間、紬の胸に小さな考えが浮かんだ。
次の日の朝、紬は少し早く起きた。
台所には、まだ静かな朝の空気が残っている。
炊きたてのごはんの湯気。
卵を混ぜる音。
フライパンに流した瞬間のやわらかな香り。
手際がいいわけではなかった。
でも、丁寧に作ろうと思った。
卵焼き。
小さめのハンバーグ。
ほうれん草のおひたし。
彩りのためのミニトマト。
自分用とは別に、もうひとつ。
少し深い紺色のお弁当箱に詰めていく。
作り終えてから、紬は急に不安になった。
重いかもしれない。
迷惑かもしれない。
そもそも、どう渡せばいいのだろう。
けれど、もし今日も湊がろくに食べていなかったらと思うと、何もしないではいられなかった。
真帆の声で我に返る。
「卵焼き、落ちるよ」
「あっ」
慌てて箸で支える。
その黄色い卵焼きを見た瞬間、紬の胸に小さな考えが浮かんだ。
次の日の朝、紬は少し早く起きた。
台所には、まだ静かな朝の空気が残っている。
炊きたてのごはんの湯気。
卵を混ぜる音。
フライパンに流した瞬間のやわらかな香り。
手際がいいわけではなかった。
でも、丁寧に作ろうと思った。
卵焼き。
小さめのハンバーグ。
ほうれん草のおひたし。
彩りのためのミニトマト。
自分用とは別に、もうひとつ。
少し深い紺色のお弁当箱に詰めていく。
作り終えてから、紬は急に不安になった。
重いかもしれない。
迷惑かもしれない。
そもそも、どう渡せばいいのだろう。
けれど、もし今日も湊がろくに食べていなかったらと思うと、何もしないではいられなかった。



