イケメン男子は、天然美少女を一途に溺愛中。

それから数日、湊はまた学校へ来るようになった。

けれど、前より少しだけ疲れて見えた。
授業中に伏せるほどではない。
笑わないわけでもない。
いつも通りに見せようとしているのが、逆に紬にはわかってしまう。

朝のホームルーム前。
教室に入ってきた湊と目が合う。
すると彼は、小さく笑って手を上げた。

それだけでうれしいのに、その笑顔の奥にうっすら影があることも、もう見逃せなかった。

昼休み、紬は自分のお弁当箱のふたを開けながら、隣の真帆にぼんやり返事をしていた。
頭の中にあるのは、昨日見た朝比奈家の台所と、湊の少しやつれた横顔ばかりだった。