Office Battle!不満だらけの女たち

『そう思ってくれる人はなかなかいないんだ。
坂下さんが彼女だったら良かったのになぁ』

という類の答えを期待したけど、田川さんは苦笑するだけだった。
これって、脈なしってこと?
落胆する自分を隠そうと、必死に笑顔を作って、別の話題に移した。
デザートも終わり、コーヒーを飲みながら、そろそろ映画の時間だし、席を立とうかとしたところ、田川さんの携帯が鳴った。

「ごめん…、仕事関係だ」

謝りながら携帯を手に取り、田川さんは席を外す。
私は笑顔で「大丈夫です」と答えたけど、ポツンと一人席に取り残され、気持ちが沈んだ。
5分ほどで、田川さんは戻ってきた。
神妙な顔つきしてる。嫌な予感。

「坂下さん、本当にゴメン!」

手を合わせて頭を下げ、田川さんに謝罪されてしまった…。

「得意先から呼び出されてしまったんだ…。
どうしても今すぐって言われてしまって。
ああ、本当によりによって今日このタイミングで」

予感的中…そんなぁ~!
でも、仕方ないよね…。

「いいんですいいんです。お仕事大事ですもの。
それでは、急いでお店出ましょう」

笑顔で席を立った。
さっき、自分で「仕事だから仕方ない」的名こと熱弁しちゃったし。
でも、実際されると、本当に凹むなぁ。

「本当にゴメン!埋め合わせは必ずするから」

でも、そう言ってくれたから、少しだけ元気回復。
田川さんは財布を出そうとする私を片手で制して、「ご馳走させて」と言って、会計をしてくれた。
日曜日の午後、これからどうしようか、家に帰っちゃおうかと思ったけど、田川さんに気を使わせないために、

「六本木なんて滅多に来ないので、ちょっと散策してみます」

ってことにした。
何度も頭を下げて、田川さんは地下鉄の駅へ向かって行った。
その背中を見送る私。
あ~あ、肩透かし。
もし、付き合えても、本当にこんなことが頻繁に起こるんだろうか。