Office Battle!不満だらけの女たち

「あ、ちょっとごめんなさい」

カバンからスマホを取り出し、着信相手をチェックすると、やっぱり健史だった。
保留ボタンを押してから、設定をバイブに変えてカバンに戻した。

「僕に気にせず、出てください」

恐縮する高嶋さん。

「いえ、大丈夫ですよ。食事中に携帯なんて、ごめんなさい」

そう言うと、高嶋さんはより一層恐縮した。
再びカバンの中で携帯に着信があったけど、無視した。
しばらくして、LINEが来たみたいだけど、気にしなかった。
健史なんて知らない。どうでもいい。
今は、高嶋さんとの時間を楽しみたいと思った。

10時を過ぎたころ、お開きになった。
これも、高嶋さんが気遣ってくれた。

「初初面で長時間は苦痛ではないですか?」

スマートじゃないけど、丁寧な心遣いが嬉しくて、自然にまた会いたいという気持になった。
どちらからともなく、お互いの連絡先を交換した。
そして、高嶋さんは駅の改札口まで見送ってくれた。
ちょっと不器用で、そして控えめな優しさにとても好感を持った。
ときめきではないけど、穏やかで心地よい気持ち。
こういうの、いいかもしれないな…。

電車に乗ってからスマホをチェックすると、やっぱり健史からのLINEが届いていた。

『電話したけど出ないな。
何やってんだ?今夜、俺んちこない?
10時には帰れそうなんだ。待ってるからな』

はぁ…。
すごく気持ちが重くなった。
彼氏からの連絡で気分が凹むってどういうこと?
健史の一方的なLINEにガッカリしたよ。
人の都合なんてお構いなしだね。