英語の天才は日本語がちょっと不自由!?

「緋彩、それだと相手に餅を投げつけてるだけだ」


隣でパソコンの画面を見ていた律が、画面から目を離さずに冷徹な声でツッコミを入れる


「それに、お前はスピードが早すぎてキャッチボールになっていない。お前が投げているのは、言葉の『千本ノック』だ」


「千本ノック! カッコいいじゃん、律!」


私が親指を立てると、律は小さくため息をつきながらも、私のために用意してくれた「ディベートの基本ルール集」を机にコトッと置いた


「とにかく、今月末の公式戦の議題は【日本は高校生のアルバイトを全面的に解禁すべきか否か】だ。我が部は『肯定派』肯定的な理由を、論理的な英語で3つ組み立てる必要がある」


律の完璧な進行に、健二がフッと得意げな笑みを浮かべた


「そのくらい、僕が一人で完璧なスピーチを作ってみせるよ。佐々木がその弾丸スピードで読み上げれば、相手の反論を許さずに勝てる。白石さんは……そう、後ろで微笑んでマスコットにでもなっていてくれればいい」