君の才能ごと、独り占め

才能があるからこそ惹かれる瞬間も。
才能があるからこそ嫉妬してしまう瞬間も。
その全部を越えて、ふたりの距離は近づいていく。

私が彼の特別であるように。
彼もまた、私にとってたったひとりの特別だった。

だからこれから先、何度周りに見つめられても。
何度憧れの目を向けられても。
私がいちばん見てほしいのは、きっとずっと彼だけだ。

そして彼はたぶん、これからも何度だって言う。

かわいい。
好き。
離したくない。
独り占めしたい。

そんなふうに静かな顔で甘く言われるたび、私はきっと何度でも恋に落ちる。

文化祭の最後の風が、ふたりの間をやさしく吹き抜ける。

つないだ手は、もう離れなかった。