君の才能ごと、独り占め

「星音」

「なに」

「今度は学校じゃないとこで、ちゃんとデートしたい」

「ちゃんと、って?」

「文化祭みたいに途中で邪魔入らないやつ」

思わず笑う。

「それは大事だね」

「かなり」

「どこ行きたいの?」

そう聞くと、恒一くんは少しだけ考える顔をしたあと、私を見た。

「どこでもいい」

「適当」

「違う」

彼は静かに言う。

「星音とふたりなら、どこでも特別になる」

その答えがあまりにも彼らしくて、胸がきゅっと甘くなる。

「……じゃあ、今度一緒に考えよう」

「うん」

「私、行ってみたい場所あるかも」

「それ聞きたい」

「でも今日は秘密」

「なんで」

「たまには私も焦らしたいから」

そう言うと、恒一くんは珍しく少しだけ目を見開いた。
それからふっと笑う。

「そういうのも好き」

「何それ」

「全部好きってこと」

さらりと言われて、結局また赤くなる。

文化祭は終わった。
でもきっと、ここからもっと深くなる。