君の才能ごと、独り占め


「……それ、今日二回目」

「え」

「そういうの、無自覚で言うのずるい」

少しだけ顔を上げると、恒一くんが近い距離で私を見下ろしていた。
その目は、いつもよりずっと熱い。

「星音」

「なに」

「今、たぶんかなり余裕ない」

「……見ればわかる」

「なら覚悟して」

言われた瞬間、そっと頬に手を添えられる。
そして今度のキスは、昼より少しだけ長かった。

やさしい。
けれど確かに、独占の気配がある。

唇が離れたあと、私はしばらく息が整わなかった。
恒一くんも額を寄せたまま、小さく息をつく。

「文化祭、終わってよかった」

「そんなに?」

「これ以上見せたら危ない」

「何が危ないの」

「俺が」

真顔で返されて、思わず笑ってしまう。