君の才能ごと、独り占め

「これ、重い」

「……ありがとう」

「終わったら来て」

「う、うん」

そのまま彼は教室の後ろで片づけを手伝い始めた。
でも私はもう、さっきのことが頭から離れない。

無理です。
ありますよ。

あまりにも彼氏っぽい。
いや、実際彼氏なのだけど。

文化祭終了後、校舎は一気に祭りのあとの空気になった。
にぎやかさの裏に、少しだけ名残惜しさが混ざる時間。

私は片づけを終えると、約束通り教室を出た。
廊下の角で待っていた恒一くんが、私を見るなり歩き出す。

「こっち」

「どこ行くの?」

「屋上前」

人の少ない階段を上がる。
夕焼けが窓を赤く染めていて、文化祭の終わりを静かに照らしていた。